2014-01
東北人魂のつづき
先日の東北人魂キッズフェスティバル in 広野に参加してくれた子供のご父兄から、イベント翌日に教育委員会にお電話があったそうです。「やっぱり広野がいい」と新学期から地元に戻ってくるとのこと。地元に戻ってくるきっかけになったこと、本当にうれしいです。
このことを鹿島アントラーズの小笠原選手にご報告したところ「涙が出るくらいうれしい。また来ます」とのお返事が!
あの日のことがきっかけになって、みんなの心の中で何かが動く。
改めて東北人魂に感謝です。
写真提供:ATSUSHIさん
子供たちの将来のために
「サムライブルーの料理人」の印税を広野町と南相馬市へ寄附させていただきました。
寄付金は子供たちの将来のために使っていただけるようにお願いしました。
本をご購入いただきました皆さん、ありがとうございました。
2012/1/23 南相馬市へ24万円(震災遺児等支援寄付金)
2014/1/28 広野町へ50万円
2014/1/28 南相馬市へ26万円
2014/1/28 浅野教育長、遠藤町長と広野町役場にて。
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【レシピ】さばのポーポー焼き
NHKで放送された、サッカー日本代表の勝負メシ「さばのポーポー焼き」。とっても簡単なので、ぜひご自宅で作ってみてくださいね。ポーポー焼きはいわきの郷土料理で、「さんまのポーポー焼き」の方が一般的ですが、今の季節はやっぱりさば! 季節に応じて旬の青魚でどうぞ。
レモン汁または七味で食べるのが西のおすすめです!
さばのポーポー焼き5個分
[box title=”A” style=”soft” box_color=”#eaeaea” title_color=”#515151″ radius=”5″]脂ののったさば1cm角切り 150gにら1cm切り 30g
葱粗みじん切り 30g
みそ 20g[/box] [box title=”B つなぎ” style=”soft” box_color=”#eaeaea” title_color=”#515151″ radius=”5″]たまご 1/3個
水 たまごと同量
小麦粉20g[/box]
- ボールにAを入れる。
- 合わせたBのつなぎを加える。
- 混ぜて、高さ1cm位に形作る。
- フライパンに油を引き、中火で両面をぱりっと焼く。
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2年10ヶ月後のJヴィレッジ
宴会翌日、お手伝いのために残ってくださった方たち。うれしい申し出、心から感謝です!
早朝からJヴィレッジ内「ハーフタイム」にエプロンと三角巾持参来てくださった皆さん、まずは広い店内のお掃除です。掃除機、モップ掛けだけでも3人がかりで1時間はかかります。これだけで既にくたくたです(笑)。でも、これからが本番! みんながんばって!
続いて恒例のジャガイモの皮むき! 何個という単位ではありませんよ。ダンボール数箱分、ひたすら皮むきです。人参も玉ねぎも10kg単位で切っていきます。
玉ねぎを炒めるのも重労働! とにかく、普段目にすることのない分量なので、何かと力がいります。なんだか学校の給食室のよう。
「今日のお弁当のメニューは何ですか?」
「まだ決めてない」
「(一同)え!?」
「なんにしようかな〜。よし、ハンバーグ!」
というわけで、ハンバーグ作りに今決定! 大量のハンバーグ、冷凍食品を使えば簡単ですが「手作りのハンバーグの方がおいしいに決まってる」と西。そりゃそうです! 手間暇かけてみんなでハンバーグを作って、一つずつフライパンで焼いていきます。
最近のお弁当は安いですよね。
冷凍のハンバーグを使った安いお弁当
おいしい手作りハンバーグの適正価格のお弁当
おいしい手作りハンバーグの格安お弁当
おいしくて安いのが本当にいいのか、ハンバーグをこねながら毎日の「食べる」ということについて、つい思いを巡らせてしまいます。
東日本大震災後のJヴィレッジは、皆さんもテレビやネットの報道でご存じのとおり、とても物々しい雰囲気でした。原発事故収束のための拠点として、 防護服を着た大勢の方が施設内の至る所に溢れ、戦車も停まっていたり‥‥。Jヴィレッジが現在もあのままだと思い込んでいる方もいるかもしれません。
あれから2年10ヶ月、Jヴィレッジも少しずつ、少しずつ、変わってきています。2013年6月で防護服を着た作業員の方たちの姿はもうありません。1日 3000人以上の方がJヴィレッジで着替えて、線量計を持って、バスで福島第一原発まで移動していましたが、その拠点は今、原発の方に移っています。現在 も東京電力の復興本社が入っていて、まだサッカーができる状態ではありませんが、でもサッカーの面影はJヴィレッジのそこら中にまだたくさん残っ ています。
───いつかまた、必ずJヴィレッジにサッカーが戻ってくる。
そういう希望が、Jヴィレッジのそこら中に感じられます。そのことを、もっと知って欲しいといつも思います。特に、サッカーファンの皆さんには。
さあ、お昼ごはん! リクエストにお応えして、揚げたてのトンカツを載せたカツカレー!
みんなが下ごしらえしてくれた材料は、おいしく調理されて夕方配達のお弁当やハーフタイムの夜メニューになりました。手伝ってくれて本当に助かりました! ありがとうございました。
Jヴィレッジを後にするとき、震災前から飾ったままになっている各チームのサインに見入る皆さんの姿が。キャンプしていた当時のことを思い出します。この壁一面、東電や福島第一原発で働く方たちに宛てて寄せられた応援メッセージなどがびっしり貼られていたこともありましたが、今は元のJヴィレッジにほんの少し近づいています。
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思わぬプレゼント
サッカーファンの皆さんから、サプライズでプレゼントをいただきました。
ブラジルをイメージしたという黄色のTシャツに描かれているのは、まさか‥‥!
バアアアアアーーーン!
どうですか! 似てますか!?
素敵なプレゼントをありがとうございました!
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強者ぞろい!
アルパインローズに来てくださったサッカーファンの皆さん、今回はFC東京、鹿島アントラーズのサポーターが特に多かったようです。去年から「みんなで西さんのお店へ行こう!」と話してくださっていたとか。
こちらに写っている方たちだけでも、ひたちなか、神戸、仙台、東京から。皆さん遠くから本当にありがとうございます! アルパインローズへようこそいらっしゃいました!
被災地を視察して戻ってきた皆さん、なかなか席につこうとしません。カバンをごそごとしていると思ったら、次々とブルーのユニフォームが! もはやアルパインローズでの正装ですね(笑)。
さあ! 待ちに待った宴会が始まりますよ〜。11月のサムライブルーディナー以来、久しぶりにたくさんのサッカーファンが集まってくれて、西もうれしそうです。
うれしさのあまり、普段お店に展示してあるユニフォームを着る西。いつの間に!
宴会の片隅で、ブラジルW杯の計画に余念のない方たちも。今日の参加者の半数以上がブラジルへ行くんですって! 前回の南アフリカW杯に行っている人も、当然のようにたくさんいました。
こんな人もいました。「仕事があるから南アフリカから一度帰ってきて、もう一回行こうと思ってチケットを取ってたんだけど、どうしても上司から休みの許可がもらえなくてチケット無駄にしちゃったの」
恐るべしサッカーファン! 去年のコンフェデレーションズカップでブラジルを訪れている西に、現地の様子を熱心に聞く人の姿も。
「サムライブルーの料理人」の表紙でも使われている今野泰幸選手の15番ユニフォームが揃いました!
この日、用意していた「サムライブルーの料理人」や松月堂さんのバームクーヘンはほぼ完売! 皆さんのお心遣いに感激でした。宴会を終えて日帰りする方を見送ったあとで、二次会も。しかも、翌日はボランティアでお手伝いしたいという申し出までありました。アルパインローズとハーフタイム、サッカーファンに支えられていますね。
皆さん、楽しんでくださったようでなによりです。
ありがとうございました!
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富岡高校サッカー部
先日、またサッカーファンの皆さんが関東、関西、仙台方面から大勢来てくださいました! 多くの方が南アフリカW杯にも行ったという強者揃いで、半分以上の方がブラジルも当然行くんですって! 西もお料理に気合いが入ります。遠くからありがとうございます!
宴会が始まる前に、福島の被災地を案内させていただきました。震災前のJヴィレッジを知る方は、やはりショックを隠しきれない様子でした。Jヴィレッジのある楢葉町のお隣、富岡町は津波で駅は流されてしまい、原発事故の影響もあり、町に人影はほとんどありません。「この坂の上が富岡高校です」と案内すると、いつもなら素通りするところを「高校行きたい!」「見たい!」ということで、学校に立ち寄ることにしました。
富岡高校は、JFAアカデミーの生徒も通った高校です。福島第一原発から10km圏内で、生徒たちは県内3つの高校と、県外の1つの高校へ。大きな被害を受けながらも、富高サッカー部は全国大会に出場しました。みんながバラバラになってしまったり、津波で行方不明になった仲間がいたり、練習ができなくなったり、たくさんの悲しみを乗り越えての全国大会です。初戦を突破し、二回戦。水戸啓明と対戦して、PKで負けてしまいました。
今もなお、原発事故で自宅に帰れない地元の皆さんはもちろん、多くの方が富岡高校を応援し、希望と感動をもらったのではないでしょうか。おつかれさま、富高サッカー部。ありがとう富高サッカー部!
人の気配がなくなった富岡高校の前で、サッカーファンの皆さんとしばらく思いを寄せたのでした。
<追記 2014/2/2>
【広野町レストラン アルパインローズ】西さんありがとう。富岡高校本校に掲げられたこのサッカー部への寄せ書きは、昨日の報告会で無事、サッカー部へ贈る事ができました。関係者の皆様、取り計らいありがとうございました。http://t.co/y35lmRcLpn
— 平山 two 勉 (@nomadicrecords) 2014, 2月 2
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アルパインローズノート
アルパインローズノートをつくりました。お店のテレビ横にありますので、ご来店の際は、ぜひひとことどうぞ! 食事の感想でも、イラストや西へのメッセージ、Jヴィレッジの思い出‥‥。シールを貼っていただいてもいいですよ!
サッカーが帰ってきた(2)
お待ちかねの選手たちが広野のフットサルコートにやってきました。拍手でお迎えです! 野外でのサッカーイベ ントということでお天気が心配でしたが、当日は青空! 広野町の子供たちと、震災直後の避難中にお世話になったいわき市の子供たちが、既にたくさん集まっています。ご父兄の方や、赤いユニフォームを持ったサポーターの姿も見えますよ。
東北人魂キッズフェスティバル2014in広野 参加選手
熊林親吾(ブラウブリッツ秋田)、鈴木翼(モンテディオ山形)
遠藤康、小笠原満男、柴崎岳、鈴木隆雅、土居聖真(以上、鹿島アントラーズ)
髙萩洋次郎、中島浩司(以上、サンフレッチェ広島)
東浩史(V・ファーレン長崎)、丹野研太(大分トリニータ)、佐々木竜太(元鹿島アントラーズ)
この日のために、地元の名物料理「マミーすいとん」300食を用意しました。「マミーすいとん」の名付け親はトルシエ監督ですよ! 小笠原選手が「ぼくが作ったすいとん、おいしいですよ〜」と声をかけます。あれ??
サンフレッチェ広島の高萩洋二郎選手も駆けつけてくれました! いわき市出身の高萩選手は中学生の頃、Jヴィレッジのサッカースクールに通っていました。当時、高萩選手にサッカーを教えていた高田豊治さんの姿もありました。広島出身で恩師の高田さん、昨年の広島連覇うれしかったことでしょう!
子供たちとPKを蹴る小笠原選手。「ボールは心を込めて手で置く!って、ジーコが言ってた」と大事なことを教えてくれました。子供たちちゃんと聞いてる?
PK決まったー! わーい!
ゴールキーパー、ちょっと多すぎない?
「壁やりたい人!」の声に集まった子供たち。さあ、小笠原選手がPKを蹴りますよ!
一本目のPKを外してしまった小笠原選手。子供が着ていた40番のユニフォームを借りて蹴ると、美しい弧を描いたボールはゴールの中へ吸い込まれていきました。歓声が響きます!
子供たちがとっても楽しそう。笑顔がいっぱい! この町にサッカーが帰ってきたことが何よりうれしいですね。震災前、サッカーで賑わっていたあの日を思い出します。PKを蹴る前に所属クラブ聞かれた子供が「Jヴィレッジ!」と答えているのもうれしい光景でした。
選手だって楽しそう! 鹿島アントラーズ、遠藤康選手!
サイン会、握手会の列にも、大勢の人が並んでいます。電車を乗り継いで、広野駅からタクシーで駆けつけた方や、何時間も運転してやってきた人もいたようです。
参加選手最年少の鈴木翼選手と、鹿島アントラーズの柴崎岳選手。寒い中、ひたすらサインを書いてくれました。
選手全員のサインをもらった子供たち。いわき出身の高萩洋二郎選手、同じくサンフレッチェ広島所属の中島浩司選手の特製サイン入りポストカードも配られました。
最後はみんなと握手! プロのサッカー選手とサッカーできて、とってもいい思い出になったね。
イベントが終わった瞬間、「わーい! すいとんすいとーん!」と鍋に向かって駆けてきた子供たち。もじもじしながらおかわりする子供も。その場でおいしい、おいしいと残らず平らげてくれました。目の前でこんなにうれしそうに「おいしい」って言われると、またここでがんばろうって力が湧いてきます。
年末のおせち作りに引き続き、今回も前日からの仕込みを手伝いにきてくれた2人。何時間もかけて大きな鮭2匹の身をほぐしていたというまいちゃん。小骨を取るの、大変だったね。早朝からハーフタイムのベテランスタッフと力を合わせて、300人分600個のおにぎりを作ったノンちゃん。年末年始の忙しい時に東京から来てくれて本当にありがとう。セレッソ大阪サポーターのまいちゃんが「小笠原選手が素敵過ぎて、今季のユニ買ってしまいそうです!」とメールをくれました。40番、買っちゃえばいい! ハーフタイム、アルパインローズのスタッフもおつかれさまでした。
東北人魂の皆さん、この町に希望の光を運んできてくれてありがとうございました。
昨年、西を訪ねて来て下さった小笠原選手が、「ここでサッカーやりたい」と言ってくれました。あのときの言葉がこうして形になったことを、西も心から喜んでいました。
サッカーでみんなが集まって、つながって、みんなで喜びを共有できた今回の東北人魂のイベント。サッカーの持つ力ってすごいと改めて感じました。選手の皆さん、スタッフの皆さん、そして日本サッカー協会田嶋副会長、広野町遠藤町長、広野町役場のスタッフさん、製品をご提供いただいたキッコーマン様、ここに集まってくださったすべての皆さん、ありがとうございました。
いつかまた、おいしいごはん食べてサッカーやろう!
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サッカーが帰ってきた(1)
1/5(日)、広野小学校の隣にあるサッカー場で、東北人魂キッズフェスティバル2014 in 広野が開催されました。
イベントが始まる前に、選手とスタッフを乗せたバスは東日本大震災、原発事故の被災地を視察するため、双葉郡内へ。最初に訪れたのは、楢葉町にあるJヴィレッジです。施設の正面玄関には今も鹿島アントラーズ、セレッソ大阪、FC東京など、Jリーグの選手たちが合宿したときのサインが飾られていますが、今回は外観だけ。懐かしかったという声や、変わってしまった風景にショックを受けた選手もいたようです。
楢葉町のお隣り富岡町は、現在、帰宅困難区域、居住制限区域、避難指示解除準備区域の3つに分かれています。選手を乗せたバスは、バリケードの張られた帰宅困難区域の境界を走りました。道路の右側は立入禁止、左側は居住制限区域。つまり、自宅に入ってもいいけれど泊まることは禁止されている地域です。人の気配はまったくなく、たまに通る車両は警察車両ばかりです。
JR富岡駅でバスを降りた選手たち。あれからもう電車は走っていないので、線路は雑草で覆われ、津波で押し流された変形した車が転がっています。津波被害を受けたまま、2年10ヶ月の間そのままの状態です。
楢葉町が一望できる天神岬スポーツ公園では、放射性物質の詰まった黒い袋で覆われていく町の風景に言葉が出ない様子でした。去年もここを訪れた鹿島アントラーズの小笠原満男選手が「(黒い袋が)また増えたね」と。燃やせば放射能をまき散らしてしまうし、増え続ける放射性のゴミは地中に埋めても切りがありません。原発事故の被災地はゼロに戻すことも困難で、「復興」と呼ぶには程遠いものがあります。
こうした問題を抱えた福島県双葉郡にプロのサッカー選手がやってくることは、なによりの希望です。前日、秋田県でのイベントを終えた東北人魂の選手たちは、この被災地視察のためにかなり早起きされたとか。福島の被災地にも目を向けてくださって、本当にありがとうございます。
さて、いよいよイベントが始まります!
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