鈴木翼
東北人魂のつづき
先日の東北人魂キッズフェスティバル in 広野に参加してくれた子供のご父兄から、イベント翌日に教育委員会にお電話があったそうです。「やっぱり広野がいい」と新学期から地元に戻ってくるとのこと。地元に戻ってくるきっかけになったこと、本当にうれしいです。
このことを鹿島アントラーズの小笠原選手にご報告したところ「涙が出るくらいうれしい。また来ます」とのお返事が!
あの日のことがきっかけになって、みんなの心の中で何かが動く。
改めて東北人魂に感謝です。
写真提供:ATSUSHIさん
サッカーが帰ってきた(2)
お待ちかねの選手たちが広野のフットサルコートにやってきました。拍手でお迎えです! 野外でのサッカーイベ ントということでお天気が心配でしたが、当日は青空! 広野町の子供たちと、震災直後の避難中にお世話になったいわき市の子供たちが、既にたくさん集まっています。ご父兄の方や、赤いユニフォームを持ったサポーターの姿も見えますよ。
東北人魂キッズフェスティバル2014in広野 参加選手
熊林親吾(ブラウブリッツ秋田)、鈴木翼(モンテディオ山形)
遠藤康、小笠原満男、柴崎岳、鈴木隆雅、土居聖真(以上、鹿島アントラーズ)
髙萩洋次郎、中島浩司(以上、サンフレッチェ広島)
東浩史(V・ファーレン長崎)、丹野研太(大分トリニータ)、佐々木竜太(元鹿島アントラーズ)
この日のために、地元の名物料理「マミーすいとん」300食を用意しました。「マミーすいとん」の名付け親はトルシエ監督ですよ! 小笠原選手が「ぼくが作ったすいとん、おいしいですよ〜」と声をかけます。あれ??
サンフレッチェ広島の高萩洋二郎選手も駆けつけてくれました! いわき市出身の高萩選手は中学生の頃、Jヴィレッジのサッカースクールに通っていました。当時、高萩選手にサッカーを教えていた高田豊治さんの姿もありました。広島出身で恩師の高田さん、昨年の広島連覇うれしかったことでしょう!
子供たちとPKを蹴る小笠原選手。「ボールは心を込めて手で置く!って、ジーコが言ってた」と大事なことを教えてくれました。子供たちちゃんと聞いてる?
PK決まったー! わーい!
ゴールキーパー、ちょっと多すぎない?
「壁やりたい人!」の声に集まった子供たち。さあ、小笠原選手がPKを蹴りますよ!
一本目のPKを外してしまった小笠原選手。子供が着ていた40番のユニフォームを借りて蹴ると、美しい弧を描いたボールはゴールの中へ吸い込まれていきました。歓声が響きます!
子供たちがとっても楽しそう。笑顔がいっぱい! この町にサッカーが帰ってきたことが何よりうれしいですね。震災前、サッカーで賑わっていたあの日を思い出します。PKを蹴る前に所属クラブ聞かれた子供が「Jヴィレッジ!」と答えているのもうれしい光景でした。
選手だって楽しそう! 鹿島アントラーズ、遠藤康選手!
サイン会、握手会の列にも、大勢の人が並んでいます。電車を乗り継いで、広野駅からタクシーで駆けつけた方や、何時間も運転してやってきた人もいたようです。
参加選手最年少の鈴木翼選手と、鹿島アントラーズの柴崎岳選手。寒い中、ひたすらサインを書いてくれました。
選手全員のサインをもらった子供たち。いわき出身の高萩洋二郎選手、同じくサンフレッチェ広島所属の中島浩司選手の特製サイン入りポストカードも配られました。
最後はみんなと握手! プロのサッカー選手とサッカーできて、とってもいい思い出になったね。
イベントが終わった瞬間、「わーい! すいとんすいとーん!」と鍋に向かって駆けてきた子供たち。もじもじしながらおかわりする子供も。その場でおいしい、おいしいと残らず平らげてくれました。目の前でこんなにうれしそうに「おいしい」って言われると、またここでがんばろうって力が湧いてきます。
年末のおせち作りに引き続き、今回も前日からの仕込みを手伝いにきてくれた2人。何時間もかけて大きな鮭2匹の身をほぐしていたというまいちゃん。小骨を取るの、大変だったね。早朝からハーフタイムのベテランスタッフと力を合わせて、300人分600個のおにぎりを作ったノンちゃん。年末年始の忙しい時に東京から来てくれて本当にありがとう。セレッソ大阪サポーターのまいちゃんが「小笠原選手が素敵過ぎて、今季のユニ買ってしまいそうです!」とメールをくれました。40番、買っちゃえばいい! ハーフタイム、アルパインローズのスタッフもおつかれさまでした。
東北人魂の皆さん、この町に希望の光を運んできてくれてありがとうございました。
昨年、西を訪ねて来て下さった小笠原選手が、「ここでサッカーやりたい」と言ってくれました。あのときの言葉がこうして形になったことを、西も心から喜んでいました。
サッカーでみんなが集まって、つながって、みんなで喜びを共有できた今回の東北人魂のイベント。サッカーの持つ力ってすごいと改めて感じました。選手の皆さん、スタッフの皆さん、そして日本サッカー協会田嶋副会長、広野町遠藤町長、広野町役場のスタッフさん、製品をご提供いただいたキッコーマン様、ここに集まってくださったすべての皆さん、ありがとうございました。
いつかまた、おいしいごはん食べてサッカーやろう!
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