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サムライブルーディナー!(2)

東京からバスと電車を乗り継いでやってきたお客さまを広野駅にお迎えに行ってくれたのは、いつもアルパインローズで働いているえりちゃん。えりちゃんは震災直後から宮城のボランティアにもよく参加していて、偶然にも今日の参加者の中に、石巻で出会った仲間がいるようです。

現在、いわき駅から北へ向かう常磐線は、2時間に1本。広野駅が終点です。来年春頃から、その先の木戸駅、竜田駅まで電車が走るようになる予定で、雑草で覆われていた線路もきれいに整備されています。

木戸駅
2013年4月の木戸駅。完全に閉ざされていた出入り口の板も現在は取り外されて、再開に向けて準備が進んでいます。

楢葉 楢葉

楢葉 楢葉

 

ディナーまであと3時間。今からやるの?と言われながら、西が「冷蔵庫を移動する!」と店内の大改造を始めました。遠征中に選手の目の前で調理する「ライブクッキング」も再現する予定ですが、テーブルが足りません。それで、Jヴィレッジとアルパインローズを行ったり来たり。震災後、活動休止を余儀なくされた女子サッカーチーム「マリーゼ」のパネルも、アルパインローズに飾らせていただくことに。マリーゼの活動拠点はJヴィレッジでしたからね。忘れて欲しくないものをこの日のためにいっぱい飾りました。そして、今食べておかないと絶対ディナーの途中でスタミナ切れになるからと、みんなでうどんを一気食い! というより一気飲み!

 

そこへちょんまげ隊のバスより一足先に到着した数台の車をお出迎え。ようこそ福島へ! ピンクの大型バスも無事到着。長距離移動、大変おつかれさまでした。

ディナーの前のわずかな時間で、皆さんを福島の被災地に案内させていただくことに。富岡駅周辺か、楢葉町の天神岬公園。ちょっと悩んで、日が暮れる前の天神岬公園へと向かいました。Jヴィレッジもこの海辺の高台にある公園も、福島第一原発から20km圏内なので、もう二度と訪れることはできないと思っていましたが、2012年8月、町ごと警戒区域が解除され、避難指示解除準備区域に再編されました。Jヴィレッジの手前にあった立入禁止のゲートが取り払われて、それまで自宅に立ち入るのに必要だった「通行証」がいらなくなりました。自分の家に自由に出入りできる。そんな当たり前のことができるようになったのです。

この天神岬公園からは楢葉町が一望できます。海と山、そして何よりも黒い袋が目立ちます。放射性物質の除染で出た廃棄物が詰まったこの黒い袋は、楢葉町だけで10万個以上あるそうです。まだまだ増えていくのでしょう。原発事故の被災地は、見た目にはわかりにくいものです。人が住まなくなって家が朽ちていることと、この「黒い袋」が増え続けていること。「実感」が得にくい福島の被災地、参加者の皆さんは何を感じたでしょうか。

アルパインローズで食事だけして帰ってしまえば、そこが被災地であることはわかりません。参加者の皆さんには、ほんのちょっとでも福島の現状を知っていただきたかったのです。線量計を持参している方もいらっしゃいました。本当は嫌だなという方もいたかもしれません。それでも、見て感じて欲しかったのです。この場所で西とスタッフのみんなが日々奮闘していること。悲しみや苦しみだけが渦巻いている場所じゃないことも、知って欲しかったのです。

この日は夕焼けがきれいでした。

 

さあ、いよいよ皆さんお待ちかね、サムライブルーディナーです!

 


2013-11-11 | Posted in NEWS1 Comment » 

コメント1件

 jodie | 2013.11.14 1:23

えりちゃんさん、お迎えありがとうございました!とっても助かりました♪

2時間に1本走っている常磐線、車内は通学の高校生や買い物帰りの方が利用する日常の風景があり、ほっとしました。

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